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「意識はいつ生まれるのか」を音読了して。

August 17, 2018

「意識はいつ生まれるのか〜脳の謎に挑む統合情報理論」
マルチェッロ・マッスィミーニ
ジュリオ・トノーニ
花本知子訳

 

二人の精神科医による「統合情報理論」に関する本です。
いわゆる「脳」にまつわる話ですが、専門的でありながら、医学的知識がなくても充分、読み込める一冊です。

 

「意識」という抽象的なものを科学的に解き明かしていく展開はまるでミステリーを読んでいるようです。

花本知子さんの翻訳が素晴らしく、この難解な内容を実に美しい日本語で表現されており、読み進めるうちにこの書の持つ独特な世界観に引き込まれていきます。

 

また、この書は、単なる科学ではなく、哲学的でもあり、人間社会学的でもあります。
脳といういまだ多くの謎を持つ組織は我々に「未知」というロマンを与えてくれます。

 

ワタシにとって、もっとも興味深かったのは、ふたりが「意識」を定義づける部分でした。

 

意識は、視床ー皮質系のニューロンそれぞれが連携し共鳴し、「複雑性」を奏でる時にのみに発生するとふたりが定義します。

 

ニューロンが単体で「複雑性」を奏でず、「単純」な動きをする時は意識は発生しないのです。

 

これはまるで社会における「組織」のようだとワタシは感じました。

 

それぞれのセクションが連携をとらず、ただ「言われたことを行う」「自分の領域を淡々と行う」だけでは、組織ではなくそれは単純なモジュールの集合に過ぎず、組織のダイナミズムは生まれない。
つまり組織の発展はない。

反対に、各セクションが密接に連携し、「複雑性」を奏でるとその組織は活性化し、ダイナミズムが発生し、
自律的で創造的な発展する組織が生まれる。

 

この「複雑性」という言葉に、ワタシは実に大きな刺激を受けました。

 

最近はとかく「シンプル」とか「わかりやすさ」を求める傾向があります。

そういう社会は、この書でいうところの「無意識」状態なのです。

 

彼らはこの「複雑性」を測る尺度としてΦ(ファイ)という単位を使っています。ワタシはこのΦを組織の発展性を表す単位に応用できないかと妄想しています。

 

「複雑」であるからこそ、そこには可能性があり、発展がある。

 

この書はワタシにひとつ啓示を与えてくれました。

 

ご興味があれば皆さんにもぜひ触れてみていただきたい一冊です。

 

 

 

ちなみに。

 

ワタシは読書はすべて音読しています。

 

 

 

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 Akihito manabe profiel: 

 

研修講師、演出家、脚本家、小説家、作詞家

1968年生まれ

大学卒業後、大日本印刷、吉本興業を経て独立。

「演出」にフォーカスしたコミュニケーションプログラム「アクトレーニング」を開発。教育機関、企業などで幅広く講師活動を行う。

​一方、独特の感性でエンタテイメントビジネスでもハイブリッドエンタテインメント「魔界」の総合プロデュースなどを行う。

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