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魔界復活公演の裏側。

魔界の復活公演を無事に終えることができました。出演者の皆さん、スタッフの皆さん、何よりもご来場いただいた皆様に心から感謝いたします。


一夜明けて、途方もない疲労感と、解放感にとらわれております。


コロナ禍での開催ということで、500席の客席を200席まで絞り、座席も前後左右並びなしと致しました。魔界独特の場外乱闘や客席を巻き込んだ演出などは全て封印。稽古も全体リハーサルは前日の5時間のみ。他は全てシーンごとのリハーサルという徹底した感染対策のもとに行いました。


正直、不安だらけではありました。


1年を超える休止期間。ワクチン接種の進捗、第5波の収束の可能性、それを見越して緊急事態中に開催を決め、幸いなことに都内の感染者が激減のタイミングとも重なり、ほぼ200席が満席となりました。感染が収まりつつあったとはいえ、まだまだ企業などでは、イベントや飲み会の自粛を求めているところも多く、そうでなくても感染の不安をもたれる方も多い中、平日の夜に関わらずご来場いただけたこと本当に嬉しく思います。


演出としては、魔界らしさを残しつついかにリハーサルの負担を減らし、尚且つクオリティを担保し、さらに次に繋がる展開にするかという難題との戦いでした。


結果的には音楽ライブの要素の比重アップと、ダンスシーンの充実という形を取りました。音楽班、特にギタリストの小林さん、西村くんには大きな負担をかけましたし、公演後動けなくなるまで奮戦してくれた青羽ひかり。本当に感謝ですし、負担をかけて申し訳気持ちでいっぱいです。そんな中で、素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました。


前半を、音楽とダンス、後半は魔界らしい戦いを展開する形にしたのですが、大きな変更点としては、今までプロレス要素を活かすために活用していた受け身用の装置を外し、リノだけの平舞台に変更した点です。





これは、大きな賭けでもありました。ただ今後、魔界の可能性を広げるためには、どこかで仕込み時間に大きな犠牲を強いるこの装置の撤廃は避けて通れないものでした。それをあえてこの復活公演でチャレンジすることにしました。


公演を終えて、たくさんの課題点はありましたが、十分に進化できる状態だと認識しました。何よりもレスラー、俳優の身体能力の高さが、この難題をクリアするだけのものであることが確認できたことは大きな集約です。


そして今回、魔界の不動の主役である鶴姫が参加できない中で、主役の大役に抜擢した、ASHことみおりちゃんの活躍は「凄まじい」ものがありました。





今回、演技パート(セリフ)はほぼ全て彼女に託しました。そんな重い責任のもと、全体リハーサルが前日の5時間だけという過酷な状況を吹き飛ばす存在感。


ラストの大軍との無双は、彼女だからできたこと。ファランクスという古代ローマ時代の戦法を模したラグビーのタックルのような陣形を組んだ二十人の魔界のヒトガタたちを掌底で吹き飛ばしていくという演出は、彼女が小柄であることと相まって最高のカタルシスを生み出してくれました。


また、本当のラストの劇場奥の扉の前まで客席を突っ切り、最後に高笑いするシーンは演出ながらゾクっとしました。見事の一言です。


魔界ならではのバッドエンドでしたが、だからこその復活公演だったと思います。


個人的にはいろいろな反省点を見つけましたし、また、開催したからこそ見えた「可能性」もありました。何よりこれは再び魔界の歴史を動かす第二の創世記(ジェネシス)でもあります。


次回は2022年の2月4日。場所は昨年8月以来のかめありリリオホールです。これから、台本を書きます。


来年は本当の意味の魔界復活を。


まずは、ここに演出の気持ちを記しておきました。


本当に復活できてよかった!!

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